eo

eonet.jp

「2時間19分の映画の中にいろんな要素が詰め込まれている!」JBあふれる“マニアックすぎる”トークショーリポート

2015.05.29


『ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男~』のトークイベントが、初日を直前に控えた28日、東京・吉祥寺の「QUATTRO LABO」で行われた。イベントにはファンクバンド「オーサカ=モノレール」の中田亮と、音楽情報サイト「bmr」編集長で、音楽評論からSF評論、DJまで多彩な活動を行っている丸屋九兵衛氏がゲストとして登場。JB愛あふれる熱いトークを繰り広げた。
____________________________________________________________

2人よるトークは時折、かなりマニアックに脱線を繰り返しつつ、進行していく。特に、映画にも登場するJBのバンドメンバーであり、丸屋氏が多大な影響を受けたブーツィー・コリンズとJBの関わりから、基本中の基本、「JBの作り上げた音楽の何が特別であるのか?」という点に2人は言及。中田は、JBがブーツィーに語った「Where’s ONE?(=一拍目はどこだ?)という言葉を紹介し「JBとは何者か? ファンクを作った人。ファンクって何? “The ONE”…すなわち一拍目のリズム!」と熱弁をふるい、4拍子の中の2拍目と4拍目を強調してきた、これまでの音楽と、1拍目と3拍目に重きを置くJBの音楽(ファンク)の決定的な違いについて語った。

さらに話題は映画にも出てくるJBの周囲の人々に関するものに。まずはバンドメンバーの中でもJBの親友であり、映画でも重要な役割を果たすボビー・バード。中田は「JBが『ゲロッパ!』と言ったら、『ゲロゲロ』って歌う人です」と説明。刑務所にいたJBの保証人となり、彼を外の世界へ連れ出す“恩人”だが、丸屋氏は2人の出会いについて「映画の中ではボビーが刑務所の慰問に訪れて出会ったことになってたけど、実は違ってて、刑務所チームとシャバチームによる野球大会があって、ボビーはシャバチームのリーダーでJBは刑務所チームにいたらしい」と説明する。

JBによる各メンバーやバンドを統率するためのルールや人心掌握術もかなり独特だったという。メンバーの演奏ミスや衣装の乱れなどに対して、常に“罰金制度”が敷かれていたが、中田は「JBが手を(ミスしたメンバーに向けて)広げるんですよ。1回なら5ドル。2回広げたら10ドル。スーツの背中にしわが入ってて50ドルとか(笑)。普通の人にはわかんないような演奏のミスなんですよ」と語り、こうした厳しい罰金制度がバンドの緊張感を生み、質の高い演奏につながったと語る。

丸屋氏は「JBのバンドに入ると何が大変か? JBをずっと見てないといけないんです。一挙手一投足を見てないと、そこでいろんな(演奏に関する)指示が出るから」と説明。中田はこれを、JBが作り上げた新たな音楽スタイルゆえのもので「これまでのように決まった小節をやるのではなく、よりプリミティブに崩したから、サビの部分もどうなるのかが決まってないから」と語った。

バンドの人数もギター、ベースだけでなく、ドラムまで複数人置くという、一見、意味不明なスタイルを採用している。両氏はここにもJBの深い考えがあると推測。中田は、待遇や条件などでメンバーがごねて、急に欠けてしまう時のリスクヘッジとして複数のメンバーを置いたのでは? と分析する。

丸屋氏はこうしたJBのバンド統治を「メンバー同士を反目させて団結させない。メンバーはJBとの神経戦に加え、メンバー同士でも戦わされる。大英帝国の統治と同じ方法」とうなずく。

JBのこのマネージメント能力は、ビジネスの面でも大いに発揮され、当時のコンサート業界にも変革をもたらしたという。中田は「アーティスト」「マネージャー(代理人)」「ブッキングエージェント」「プロモーター」「劇場」に分かれて、それぞれに手数料が発生するシステムとなっていた当時のアメリカのコンサート業界の構造を図説で説明。

JBは、「マネージャー」と「ブッキングエージェント」の仕事を一つにまとめ、自分の“パートナー”として取り込み、さらに宣伝を担当する「プロモーター」を排し、代わりに自身の影響力を駆使して直接、各地のラジオ局のJBファンであるDJに売り込んで宣伝することで、余計な費用をかけずに興行を成功させたとJBによる“革命”の構図を明かす。自らの魅力を最大限に発揮し、人心を掌握する「人たらし術」として、中田も丸屋氏もその手腕に称賛を送っていた。

最後に中田が改めて映画、そしてJBという男について「歌手、ビジネスマン、ブラックパワーの推進力、ベトナムにも行った男、大統領にも会った男……2時間19分の映画の中にいろんな要素が詰め込まれています!」と語り、多彩なJB像を見ることができる作品になっているとアピールした。

ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男~

公開日2015年5月30日より
劇場シネクイントほか全国にて
配給シンカ、パルコ
公式HPhttp://jamesbrown-movie.jp/

(C)Universal Pictures

最新映画ニュース

映画『ビジランテ』入江悠監督インタビュー

映画『ビジランテ』入江悠監督インタビュー

2017.12.15

あの伝説のロックバンド「Queen」のボーカル、フレディ・マーキュリーのそっくり!生き写しか?主人公 ヨシカの上司 通称“フレディ”が登場!!本編映像解禁『勝手にふるえてろ』

あの伝説のロックバンド「Queen」のボーカル、フレディ・マーキュリーのそっくり!生き写しか?主人公 ヨシカの上司 通称“フレディ”が登場!!本編映像解禁『勝手にふるえてろ』

2017.12.15

人気若手俳優勢揃い! 空前絶後のアクションエンタテインメント作『曇天に笑う』サカナクションが手掛ける、待望の主題歌「陽炎」が遂に完成!楽曲、初解禁!

人気若手俳優勢揃い! 空前絶後のアクションエンタテインメント作『曇天に笑う』サカナクションが手掛ける、待望の主題歌「陽炎」が遂に完成!楽曲、初解禁!

2017.12.15

ジェニファー・ローレンス演じる妖艶な女スパイが悩殺!『レッド・スパロー』日本公開3月30日(金)に決定

ジェニファー・ローレンス演じる妖艶な女スパイが悩殺!『レッド・スパロー』日本公開3月30日(金)に決定

2017.12.15

ウディ・ハレルソン、『ヴェノム』に出演か!?

ウディ・ハレルソン、『ヴェノム』に出演か!?

2017.12.15

最新映画ニュース一覧へ