関西の映画館上映スケジュールと最新映画情報

eonet.jp

特集上映「大阪バイオレンス、3番勝負」 石原貴洋監督インタビュー

2015.07.07

20150625_ishihara_01

海外の映画祭では、“ミスター・バイオレンス”と呼ばれるほどの存在。大阪を拠点に産み出されるバイオレンス映画は、特にヨーロッパで熱狂的な支持を受け、“大阪バイオレンス”というジャンルで語られるまでになっているという。

大阪バイオレンス三部作――『大阪外道』『大阪蛇道』『コントロール・オブ・バイオレンス』を引っさげ東京進出を狙う石原貴洋監督、その意気込みのほどを伺った。

______________________________________________________________________

どうしてバイオレンス映画を撮ろうと?その前は子供の映画を撮っていたようですが。

■石原監督:中途半端がダメなんですよ(笑)。子供の世界って、ポジティブで明るいもの。その真逆が暴力の世界。極端にかけ離れているふたつの世界に興味があって、“陰と陽”どちらからやろうかなと思って、明るい方から取り掛かったわけです。子供と言っても、受験勉強に追われているような子供には興味ない。大人だって、普通のサラリーマンの映画なんて観たくない。そう、中途半端がキライなんです。

今回上映される3本のうちの最初の作品『大阪外道』には、子供も登場します。

■石原監督:先ほど言った“陰と陽”を融合させた映画を撮りたいと思ってきました。これは10年前から考えていたアイデア。いきなりやっても失敗するので、かたっぱしから“素材”を集めて10年、確実に“料理”できるテクニックが培われたところで、『大阪外道』に臨んだわけです。

石原監督は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭(以下、ゆうばりファンタ)」との縁が深いですね。

■石原監督:長編1本目の『VIOLENCE PM』で初めて「ゆうばりファンタ」に参加しました。他の映画祭じゃなくて、直感的に「ゆうばりファンタ」じゃないとダメだと思ったんですね。この映画で北海道知事賞をいただき、(『大阪外道』からプロデューサーとなる)林海象さんとも知り合えました。そして、ほかの海外の作品を観て、世界に通用するための基準が分かりました。それで、「もう一回、勝負だ」と思ったわけです。

次の『大阪外道』でグランプリを獲るわけですね。

■石原監督:そうです。「ゆうばりファンタ」は大きなチャンスを自分にくれた映画祭です。

「ゆうばりファンタ」で知り合った海外の映画人で、意識する人はいますか?

■石原監督:僕の『VIOLENCE PM』が賞を獲った2011年にグランプリを受賞したオ・ヨンドウ監督の『エイリアン・ビキニの侵略』を観て、韓国映画を意識し始めましたね。その時の審査員だったナ・ホンジン監督(『チェイサー』ほか)から声をかけて頂いたこともあって。韓国映画のバイオレンスは、日本映画に足りない“活力”がありますよね。喜怒哀楽が激しいし、喧嘩もよくするし、騒ぐ時は徹底的に騒ぐ。人間同士の密度が濃くて、距離が近いんですよね。

韓国と言えば、「プチョン国際ファンタスティック映画祭」にも参加されています。

■石原監督:かなり熱狂的な映画祭でした。(招待作品として参加した)『大阪外道』は満席でした。ヨーロッパの人たちもたくさん観に来ていて、もうドッカンドッカン(笑)。

「ゆうばりファンタ」でグランプリ受賞後に撮ったのが『大阪蛇道』ですね。

■石原監督:子供時代から始まる、男2人女1人の人生の物語です。大人になって、ひとりは無能なヤクザだけど家庭を持って幸せに、ひとりは有能なヤクザだけど天涯孤独という設定です。演じてくれた仁科貴さんと坂口拓さんとも、「ゆうばりファンタ」で知り合ったんです。

ロケはいつも地元ですか?

■石原監督:ロケはいつも生活臭が感じられる場所で、と考えています。大阪のどこでもない場所だからこそ出せる下町感覚です。通天閣や道頓堀なんて、観光客が行くところでしょ?そんなところじゃ頼まれても撮りたくない(笑)。

最新作『コントロール・オブ・バイオレンス』には、敵役で渋川清彦さんが出ています。

■石原監督:実はあの役、渋川さんが第一候補だったんです。「僕はあなたを、悪役キャラで売り出す自信があります」と、生意気にも手紙を送って。そしたら僕を信じて、「出たい」と言ってくれた。嬉しかったですね。

石原監督の映画にはヤクザが出てきますが、いわゆるヤクザ映画とは一線を画してますね。

■石原監督:『コントロール・オブ・バイオレンス』は、チンピラvs ヤクザvs餃子のおっさんという三つ巴の構図です。実は、ヤクザvsヤクザ、集団抗争的なものにはあまり興味ないんです。ヤクザを登場させながらも、僕としては堅気の方が強くあって欲しい。「堅気をナメんなよ」っていうのが正直な気持ち。だから、ヤクザより凄くてヤバい奴がいるっていう設定が好きなんです。

ヤクザも恐れる謎の“能面”とか、そのスゴい奴のキャラクター作り、楽しんでますね。台本はどの程度作りこみますか?

■石原監督:ベタじゃない新鮮なキャラ作りを心がけています。衣裳も含めてね。大阪人を演出する時は、余白を作ったほうが面白い。台本は80、あとの20はアドリブをくっつける。つまり、出演者に20だけ残しておいた上で、150で走らせる。そのあとで50切って100にする。そんな感覚です。

尺(長さ)対するこだわりはありますか?

■石原監督:ありますね。大好きな『マッドマックス2』って91分とコンパクト。最新作の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は120分あるけど(笑)。それはさておき、バイオレンス映画は長くない方がいいでしょう。作り手としてはいろいろ詰め込みたくなるけれど、20%くらい切って80%にした方が、観客に伝わるんじゃないかな、というのが僕の考え。『大阪蛇道』では詰め込みすぎちゃって110分になった。それが唯一の反省点。(「ゆうばりファンタで」で)グランプリを獲って熱くなってたのもあるかな。その反省から『コントロール・オブ・バイオレンス』では80分ほどに戻しました。

そのせいか、編集も洗練されてきた気がします。モノクロの映像も含めて。

■石原監督:実は、ずっと白黒で撮りたかった。でも、白黒にしちゃうとアート寄りに思われる、と周りから反対されて、泣く泣くガマンしてました。もうそろそろやらして欲しいと、『コントロール・オブ・バイオレンス』で白黒にしたんです。編集に関しては、仮編集から自分でやります。手直しも自分でやりたい。でも、「意見を聞く耳は持つよ」ってスタンス。林(海象)さんにいつもボロっかすに言われるんですが、意見を頂くとこちらの水準が上がっていくのが分かります。目利きの助言者がだんだん増えてきたのは実感するところですね。

小さい頃から映画を観てきたと思いますが、どんな映画少年でしたか?

■石原監督:「ドラゴンボール」や「北斗の拳」が好きな少年でした。映画では『マッドマックス』が一番。そして『ターミネーター』であり、ジャッキー・チェンの映画であり、『ダイ・ハード』。十代の頃は観まくってました。映画を撮るようになってからは時間がなくて観られないですが、十代の頃の栄養分が活きてる感じ。子供の頃、父親が某大手電機メーカーに勤めていた関係で、発売前のホームビデオを“試し使い”できたのは恵まれてました。家族の晩ごはんとか、その頃から撮ってた。だからキャメラは手の一部みたいなもんですね。

さて、7月11日からいよいよ東京で3作品の連続上映です。どんなことを期待しますか?

■石原監督:大阪での上映時はちょっと意外だったんです。もっとワルい奴らが観に来るかと思ったら、女性客が多かった。東京では口コミで広がってくれたらいいかな、と。観てみると中身はしっかりしてて、Vシネマみたいなのとちょっと違う、何かちょっと新しいぞって。好奇心を持って飛び込んできて欲しいですね。

 

《石原貴洋監督 プロフィール》
1979年生まれ。大阪ビジュアルアーツ専門学校卒業。2004年より地域密着型の小学校映画の製作を開始する。2010年の『VIOLENCE PM』が韓国の「富川国際ファンタスティック映画祭」に招待され、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」では北海道知事賞を受賞する。2012年の『大阪外道』で同映画祭オフシアター・コンペ部門グランプリを受賞。続く『大阪蛇道』(13)『コントロール・オブ・バイオレンス』(15)も「ゆうばりファンタ」で上映されるなど、ファンから熱い支持を受けている期待の監督。

 

【取材・文/川井英司】

______________________________________________________________________

特集上映:「大阪バイオレンス、3番勝負 石原貴洋監督作品」

2015年7月11日よりテアトル新宿(レイト)にて
『大阪外道』7月11日(土)~7月17日(金)
『大阪蛇道』7月18日(土)~7月24日(金)
『コントロール・オブ・バイオレンス』7月25日(土)~7月31日(金)

公式HP:http://ishihara-movie.com/
©石原映画工場

最新映画ニュース

1977『サタデー・ナイト・フィーバー』、1997『フェイス/オフ』、そして 2017 年! 俺たちのトラボルタが帰ってきた!!『リベンジ・リスト』6/17公開

1977『サタデー・ナイト・フィーバー』、1997『フェイス/オフ』、そして 2017 年! 俺たちのトラボルタが帰ってきた!!『リベンジ・リスト』6/17公開

2017.03.23

アジア版アカデミー賞「第11回アジア・フィルム・アワード」(AFA)浅野忠信 主演男優賞受賞!

アジア版アカデミー賞「第11回アジア・フィルム・アワード」(AFA)浅野忠信 主演男優賞受賞!

2017.03.23

銀河一“ヤバい”愛されヤンキー・ヒーロー・チームが、ノリと笑いで銀河を守る?!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』最新ポスター&最新予告 解禁

銀河一“ヤバい”愛されヤンキー・ヒーロー・チームが、ノリと笑いで銀河を守る?!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』最新ポスター&最新予告 解禁

2017.03.23

鷹の爪快挙!スーパーマンが!バットマンが!“DC×鷹の爪”新作映画製作決定!!

鷹の爪快挙!スーパーマンが!バットマンが!“DC×鷹の爪”新作映画製作決定!!

2017.03.22

ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズら集結!日本からは真田広之も!!映画『ライフ』ワールドプレミア

ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズら集結!日本からは真田広之も!!映画『ライフ』ワールドプレミア

2017.03.22

最新映画ニュース一覧へ

MY映画館3件まで登録できます。

よく利用する映画館を登録しよう。登録した映画館の上映スケジュールが確認できます。

ランキング全国週末興行成績
SING/シング 01 NEW

SING/シング

モアナと伝説の海 02 DOWN

モアナと伝説の海

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 03 DOWN

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険

ラ・ラ・ランド 04 DOWN

ラ・ラ・ランド

映画プリキュアドリームスターズ! 05 NEW

映画プリキュアドリームスターズ!

劇場版 黒子のバスケ LAST GAME 06 NEW

劇場版 黒子のバスケ LAST GAME

3月のライオン 【前編】 07 NEW

3月のライオン 【前編】

チア☆ダン -女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話- 08 DOWN

チア☆ダン -女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話-

ひるね姫 -知らないワタシの物語- 09 NEW

ひるね姫 -知らないワタシの物語-

劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール- 10 DOWN

劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-

3月18日~3月19日調査 (興行通信社提供)