eo

eonet.jp

映画『砂の器』シネマ・コンサートに期待高まる。山田洋次監督と本広克行監督が対談

2018.03.14

0314_003

 
日本映画史に燦然と輝く不朽の名作『砂の器』(1974年)のシネマ・コンサートが、4月に東京と大阪で開催される。同公演は劇中のセリフや効果音はそのままに音楽パートをオーケストラが生演奏する映画上映+コンサートの複合ライブ・イベント。昨年夏に東京で行われた公演の再演となる。来るシネマ・コンサート開催に際して、同作で橋本忍と共に脚本を手掛けた映画監督の山田洋次と、自身の代表作の中でオマージュを捧げるほどの『砂の器』ファンである映画監督の本広克行が『砂の器』について語った。

 
――本広監督は映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)で、『砂の器』のキーワードでもある「東北訛りのカメダ」を使って同作へのオマージュを捧げた。老練な刑事(いかりや長介)と若い熱血刑事(織田裕二)のコンビは、『砂の器』の丹波哲郎と森田健作の設定にも通じる。

 

本広:踊る大捜査線チームって邦画が大好きで。で、『砂の器』をちょっと頂いちゃいまして(笑)。

 

山田:あの黒澤明監督も言っていたけど、色々な映画をいっぱい見て、どんどん真似しなきゃダメだよって。僕も一生懸命真似しますよ、このシーンをどう撮ろうか迷っている時には。今度の新作(5/25公開『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』)では、黒澤さんの『生きる』(1952年)の喫茶店での場面を参考にしてみました。志村喬が階段降りるシーンを西村まさ彦で(笑)。

 

本広:エーッ!ネタバレしちゃっていいんですか!

 

山田:昔、『幸福の黄色いハンカチ』(1977年)で喧嘩したことがあるんだよ。ポスターは“黄色いハンカチで”って言ったら、そんなのネタバレになるからダメだって宣伝部が言うからね。「そんなことでつまらなくなる映画なんか作ってないよ!」って(笑)。

 
――『砂の器』は、ラスト40分で流れる組曲「宿命」に象徴されるように、音楽なくして語れない作品だ。本広監督は『交渉人 真下正義』(2005年)ではラヴェルのボレロ全編をまるごと使ったり、新作『曇天に笑う』(3/21公開)では冒頭からサカナクションを起用するなど、音楽にはこだわりをみせる。

 

本広:映画学校でシナリオ7割、撮影3割と習ってきたんですけど、僕はそこをシナリオ5割、映像+音楽5割で考えていて、撮影中から頭のなかでは自分のイメージする音楽がガンガン鳴っているんです。

 

山田:僕も大事なシーンでは、自身でイメージしたCDを撮影現場で鳴らして、それにあわせて芝居してもらうこともありますよ。マーラーとか、ニーノ・ロータとか。『砂の器』のシナリオでは、秀夫少年が走り出すシーンに「ここにシンバルが鳴る」と書きこみましたよ。

 

本広:僕も『交渉人 真下正義』という映画で、ラヴェルのボレロを流して最後にシンバルを鳴らして、その瞬間に捕まえるというネタをやりました!

 
――『砂の器』は橋本忍と山田洋次の共同脚本だ。2人の作業はどのようにして進められて行ったのだろうか。

 

本広:橋本さんとは、どこかに籠もって脚本を書かれたんですか?

 

山田:当時、橋本さんが大きな和文タイプライターを持っていらしたので、橋本さんの自宅で作業したのが多かったかな。ある日、橋本さんが「洋ちゃん、いいアイデアがあるんだよ!いったん打ち切られた捜査会議が再開され、刑事が口火を切る。と同時に和賀英良が指揮棒を振り下ろす。」と一連の流れを話してくれて。これは急いで書かなきゃ!と、かなりのスピードで書いていったかな、2週間ぐらいで。あの時の橋本さんの「よしやるぞ!」っていう高揚感は横で見ていて、とても嬉しかったねぇ。いま僕は凄いものを見てるぞって。橋本さんからは、ふたりの旅を思いつくまま、色んなシーンを書いてくれと言われて、僕も一生懸命考えました。その中で採用されるものもあれば、採用されなかったのもあるんだけど。「よく書いてくれたよ、あれで助かったよ」と橋本さんに言われたのを憶えています。

 

本広:あの親子の旅のところはセリフや効果音がなく、音楽のみなんですよね。あれには、びっくりしました。凄く思いきってますよね。パントマイムの芝居を見ているような。ブルーレイで見直して気が付いたんですが、秀夫少年の額の傷が、大人になった和賀英良にも、ちゃんとあるんですよね。細かいなぁと。

 

山田:そうでしたか。実は、あの映画は脚本書き上げて、すぐに映画にはならなかったんです。脚本は10年くらいお蔵入りしちゃったけど。その間に僕は監督になったので、あの映画が撮影に入った時は、助監督についていないんですが、噂には伝わってきました。野村(芳太郎)監督が撮影中から粘りを見せていて、凄い映画が出来上がりそうだって。試写を観て、シナリオのイメージは、いい意味で裏切られた。こんなにも膨らんで豊かなものになるんだなぁと。

 
――いよいよ再演が迫る『砂の器』シネマ・コンサート。昨年の初演も観た山田監督は。

 

山田:橋本さんが、この作品は「文楽だな」と言っていた。人形(役者)の物語りがあって、浄瑠璃という音楽が加わっていく。音楽がね、時としてセリフに代わっていくんだよ。去年観たこのシネマ・コンサートはほんと、素晴らしいんだよ、映画とはまた違う迫りくる感動なんですよね。終わった後のあんなに長い観客の拍手ってなかなかないです。シネマ・コンサートにこんなにぴったりの作品はありません。

 

本広:今度は僕も観に行きます!

 
<映画『砂の器』シネマ・コンサート2018/公演概要>
日時:2018年4月22日(日) 開場16:00/開演17:00(終演20:00予定)
会場:渋谷・NHKホール
チケット価格 :9,800円(税込/全席指定) ※未就学児入場不可
※大阪公演も開催 ※詳細はホームページにて

シネマ・コンサート上映映画:
上映作品:映画『砂の器』(松竹・橋本プロ=提携作品/1974年10月19日劇場公開)
上演時間:2時間23分(途中休憩20分あり/上映作品は2005年リマスター版)
原作:松本清張/監督:野村芳太郎/脚本:橋本忍、山田洋次
撮影:川又昻/音楽監督:芥川也寸志/作曲:菅野光亮
出演:丹波哲郎/加藤剛/森田健作/島田陽子/山口果林/加藤嘉/緒形拳/佐分利信/渥美清 他
シネマ・コンサート出演:
指揮:和田薫 / 演奏:日本フィルハーモニー交響楽団 / ピアノ:近藤嘉宏

<映画『砂の器』シネマ・コンサート/公式サイト>
http://promax.co.jp/sunanoutsuwa/

(C)1974・2005 松竹株式会社/橋本プロダクション

最新映画ニュース

キャスト&スタッフが語る!!壮絶な銃撃戦、その裏側とは!?『ザ・アウトロー』メイキング動画

キャスト&スタッフが語る!!壮絶な銃撃戦、その裏側とは!?『ザ・アウトロー』メイキング動画

2018.10.19

『春待つ僕ら』大事なものを見つけた時、人は強くなれる 迫力のバスケシーンも必見の本予告編&ポスタービジュアル解禁

『春待つ僕ら』大事なものを見つけた時、人は強くなれる 迫力のバスケシーンも必見の本予告編&ポスタービジュアル解禁

2018.10.19

阿部サダヲ 吉岡里帆 最初で最後のライブイベントで主題歌を熱唱!一夜限りのハイテンションボイスに大盛り上がり!!『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』一夜限りのライブイベント

阿部サダヲ 吉岡里帆 最初で最後のライブイベントで主題歌を熱唱!一夜限りのハイテンションボイスに大盛り上がり!!『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』一夜限りのライブイベント

2018.10.19

フラッシュの単独映画、製作開始時期が延期

フラッシュの単独映画、製作開始時期が延期

2018.10.19

イドリス・エルバ、トム・フーパー監督最新作『キャッツ』出演へ?

イドリス・エルバ、トム・フーパー監督最新作『キャッツ』出演へ?

2018.10.19

最新映画ニュース一覧へ

MY映画館3件まで登録できます。

よく利用する映画館を登録しよう。登録した映画館の上映スケジュールが確認できます。

ランキング全国週末興行成績
宇宙の法 -黎明編- 01 NEW

宇宙の法 -黎明編-

日日是好日 02 NEW

日日是好日

ルイスと不思議の時計 03 NEW

ルイスと不思議の時計

プーと大人になった僕 04 DOWN

プーと大人になった僕

劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ 05 DOWN

劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ

クワイエット・プレイス 06 EVEN

クワイエット・プレイス

コーヒーが冷めないうちに 07 DOWN

コーヒーが冷めないうちに

パーフェクトワールド 君といる奇跡 08 DOWN

パーフェクトワールド 君といる奇跡

モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ 09 DOWN

モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ

カメラを止めるな! 10 EVEN

カメラを止めるな!

10月13日~10月14日調査 (興行通信社提供)