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【コラム】タランティーノ、イニャリトゥらも新作のテーマに。『悪党に粛清を』から考える“なぜ、今、ウェスタンなのか?”

2015.07.03


現在、新宿武蔵野館ほかで公開中の映画『悪党に粛清を』。2014年のカンヌ国際映画祭に正式出品されて以降、世界中の映画祭で熱狂をもたらしたウェスタン・ノワールだ。

同作品は、デンマーク出身のクリスチャン・レヴリング監督が子どもの頃から憧れていたウェスタンへの“愛の証”として製作した北欧産ウェスタンだ。1870年代のアメリカ西部に移り住み基盤を築いたデンマーク移民である主人公ジョン(マッツ・ミケルセン)が妻子を殺されたことから起こる、町を牛耳る凶悪な用心棒のデラルー大佐(ジェフリー・ディーン・モーガン)との、復讐の連鎖による死闘を描く。

デンマークによるウェスタン映画は非常に稀だが、西部開拓時代のアメリカにはスウェーデンやデンマークから多くの人々が移住した歴史があり、作られるべくして作られた作品とも言える。ミケルセンは、デンマークを代表する食材がじゃがいもであることにちなんで、“ポテト・ウェスタン”とユニークな表現で説明している。

元々アメリカ独自のジャンルだったウェスタンは、外国製ウェスタン、とりわけイタリア製の “マカロニ・ウェスタン”が登場したことで世界的な広がりを見せていく。1957年生まれのレヴリング監督は“マカロニ”世代で、本作の製作にあたりセルジオ・レオーネ監督作品や黒澤明監督の時代劇などから大きな影響を受けたと語っている。

近年はジャンル自体の製作本数も減り、日本での公開作品も多くはないが、コーエン兄弟監督作『トゥルー・グリット』、ジョニー・デップ主演作『ローン・レンジャー』、クエンティン・タランティーノ監督作『ジャンゴ 繋がれざる者』、セス・マクファーレン監督作『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』などウェスタン映画の公開が続く。そして、今年日本で最初に映画館で観られるのが『悪党に粛清を』だ。この後もタランティーノの『The Hateful Eight(原題)』や、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の新作『The Revenant(原題)』、『荒野の七人』のリメイク企画が進行中……と、今後、日本で観られるウェスタン映画の機会はまだまだ続きそうだ。

故淀川長治氏主宰による「映画の友」の流れを汲む、日本最大の西部劇愛好会「ウェスタン・ユニオン」にも所属する映画ライターの田中雄二氏は、西部劇の魅力を「壮大な風景、分かりやすいストーリー展開、開拓精神、男のロマン、友情と対立、華麗なガンプレー、疾走する馬……など多岐にわたる」と語る。その上で、「論より証拠、『駅馬車』を、『荒野の決闘』を、『シェーン』を、『荒野の七人』を、『明日に向って撃て!』を、『ラスト・シューティスト』を、『シルバラード』を、『許されざる者』を、そして『悪党に粛清を』を見よ!」と現代の映画ファンに向けてメッセージを贈る。

また、『悪党に粛清を』を鑑賞した人たちは、「哀愁のサムライ・スナイパー」(30代/女性)、「西部劇、ただし新しい」(40代/男性)、「漢」(40代/男性)、「静かなる復讐」(40代/男性)、「魂の鉄撃」(50代/男性)、「生き残るために、殺せ」(50代/女性)など、ユニークでありながら本作の特長をそれぞれの言葉で表現。

映画の源流でもあり、王道の人気ジャンルである“ウェスタン”。このジャンルにあまり慣れ親しんでない若い映画ファンも、テレビなどでかつて見尽くしたオールドファンもぜひこの“ポテト・ウェスタン”の魅力に触れてみてはいかがだろうか。

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