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『岸辺の旅』音楽担当・大友良英氏が語る“黒沢監督との仕事”

2015.09.10


10月1日公開、黒沢清監督作品『岸辺の旅』で、江藤直子氏とともに音楽を担当した大友良英氏からコメントが到着した。

今作の音楽を担当することになった経緯や黒沢監督との仕事など、音楽製作の裏側を語っている。
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■大友氏「映画のサイズの中に音楽まで収まる必要なんてない」

黒沢監督と製作会社から直接オファーされまして、「オーケストラもやれる?」と訊かれたので「江藤さんと組めるならやれるよ」と答え、江藤直子さんと共作しました。監督によって違いますが、黒沢さんの場合は細かいディテールを言うよりは、大きく「この映画にとって音楽がどういう意味があるのか」というところから話を持ってくる感じで、「この辺にこういう音楽が必要です」と言って作ったものがそのままついていることがすごく少ないです。

あまり細かく作らないということと、オーケストラ単体でもちゃんと音楽として成立したものをつけるというイメージだったので、黒沢監督の意図を汲んでどれだけ従来の劇伴とは違うものを作れるのかというところに注意しましたが、でも実は手間は江藤さんの方がはるかにかかっています。

ああいう映画にオーケストラをつけられるというのが大発見です。通常、日本映画でこういう風にはつけませんから。予算のこともありますが、この内容なら小編成ないしピアノで合いますから。何にも言われなかったら俺もそういう方向でつけちゃったような気がします。でもオーケストラ前提で考えると、「あっ、そうか!」と。

黒沢監督は「例えば小津映画とかでも、別に家族のなんてことないシーンにオーケストラがついてますよね。そういうのをやりたいんです」と言っていて、「そうか! そうだよな、たしかに昔の映画ってそうだった!」と。ここ20~30年の日本の劇伴のつけ方に自分もとらわれていました。なにも映画のサイズの中に音楽まで収まる必要なんてないんです。オーケストラがあの映画についたらどうなるのか、俺もやってみたくなりました。

本当に苦労されたのは江藤さんで、江藤さんの今までの音楽的キャリアのすべてをつぎ込んで臨んだんじゃないかな。なにしろ予算との闘いという制約の中で最大限の効果をあげねばと必死でしたから。最初に黒沢監督さんに「マーラー……」って言われたときには即「無理だと思いますよ」って言いました! 編成的に予算をはるかに超えてますから。でもマーラー的なもののもつ、あるオーケストラの豊かさは実現したかった。ちゃんと本物にしなくてはと。その部分で江藤さんの功績、大きかったです。

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