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『帰れない二人』盟友・市山尚三プロデューサーが語る ジャ・ジャンクー監督の現場での意外な“顔”とは?

2019.09.18

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第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、中国の名匠ジャ・ジャンクー監督最新作『帰れない二人』が、Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか大ヒット上映中だ。Bunkamuraル・シネマにて、9/16(月)に開催したトークイベントでは、本作のプロデューサーであり、先日、第37回川喜多賞を受賞した市山尚三Pが登場!これまで、ホウ・シャオシェン監督やジャ・ジャンクー監督の映画をプロデュースする一方で、東京フィルメックスのプログラム・ディレクターとしても活動。「映画の道に入って21年。そのうち20年を市山プロデューサーと歩んできた」とジャ監督が語る、盟友・市山プロデューサーならではの視点で本作の魅力や中国映画界の今について語った。

 
「日本の映画制作者には想像しがたいと思う」中国の映画製作者にかかるあるプレッシャーとは?
ジャ監督の長編2作目『プラットホーム』(00)から、現在公開中の『帰れない二人』(18)まで、20年近くにわたってほぼすべての作品を手掛けてきた市山尚三プロデューサー。当時、ジャ監督は中国当局から映画製作を禁じられていた為、中国での資金調達が叶わなかったが、オフィス北野に所属していた市山プロデューサーはオフィス北野をはじめとして海外出資を募る役目などを果たしてきた。「最近は立場が逆転して、“ジャ監督の作品であれば”と、中国国内でほとんどの製作資金が集まるようになってきたんです。皆様ご存知の通り、昨年からオフィス北野は映画製作が中止となったのですが、ジャ監督は“お金のことは心配しないで”と言って、すぐに中国国内でオフィス北野に代わる出資会社を見つけてきた。でも、“プロデューサーはずっと辞めないでほしい”という言葉を受けて、こうして『帰れない二人』でもプロデューサーを務めているわけです」と語る。
ジャ監督が映画製作を禁じられたのは、長編デビュー作『一瞬の夢』を政府の検閲を通さずに海外の映画祭に出品したからだ。「中国では、政府の検閲を通すことが義務。そうでないと国内で上映ができずに、出資者に迷惑をかけてしまうからです。『帰れない二人』も、もし検閲の審査が間に合わなければ、カンヌ国際映画祭への出品を諦めるくらいの心持ちでいました。これは、日本の映画制作者には想像しがたいほどのプレッシャーだと思います」と語る。

 
ジャ監督の現場での意外な“顔”とは?
ジャ監督との仕事のやり方について、「ジャ監督から受け取った脚本は申し分なかった。私が意見をしたのは編集段階からです。第三者の視点から、説明不足なシーンやカットした方がいいシーンなどについて意見します。ジャ監督は人の意見を聞くタイプの監督。自分の意見を曲げないところもあるけど、よくないところはきちんと変えようとする。仕事をしていて面白いし、プロデューサーとしてやりがいがある監督ですね」と語る。現場での雰囲気については、「ジャ監督は来日インタビューなどでは穏やかで物静かな雰囲気に見えると思いますが、現場では打って変わって、こだわりが強く、ギャーギャーとわめいてるときもありますよ(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。

 
ジャ監督のこだわりのシーンについて、「例えば、ビンが街中で若いチンピラに襲われるシーンの周囲の通行人は、すべてエキストラです。2001年の時代設定のシーンなので、通行人の服が現在と全然違うんですよね。それ以外も場面に映らないシーンもリアルに再現している。今までの作品のなかで1番制作費がかかっている作品ですね」と語る。

 
「時代の変遷とともに人の感情がどう移り変わるのか」Pが語る本作の見どころについて
本作の見どころについて、「『青の稲妻』の冒頭シーンでオペラを歌う男をジャ監督がこっそり演じていたように、実は本作の冒頭シーンでもジャ監督が声の出演をしているシーンがあるので、ジャ監督ファンの方はぜひチェックしてみてください。そして、本作では『青の稲妻』で描いた2001年、『長江哀歌(エレジー)』で描いた2006年、そして現在と移り変わる3つの時代を、交通手段、登場人物の持ち物、服装などに細かく注意を払って描いている。時代の変遷とともに人の感情がどう移り変わるのか、あるいは変わらないものについて、ジャ監督が20年近くかけて考えてきたことを形にした作品です。中国という特殊な世界を描いているようで、日本がたどってきた道でもあると思う。きっと、みなさんに共感してもらえる部分があると思っています」と語り、トークイベントを締めくくった。

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