巨匠ワイズマンが英国式アートに迫る
ロンドンのナショナル・ギャラリーは、所蔵作品は2,300点余りと決して多くはないが、年間500万人以上の人が訪れる世界トップレベルの美術館。スクリーンにまず躍るのは、訪れる人々へのバリエーションに富んだもてなし。スライド上映付きの講演会、ギャラリートークなどで、巨匠たちの傑作が丁寧に解説される。続いてカメラは、高度な修復作業を追いかける。100年以上の時を経て、画家が描いた当時の姿が甦る。
84歳の巨匠、フレデリック・ワイズマン。第71回ヴェネチア国際映画祭では栄誉金獅子賞に輝き、“現存する最も偉大なドキュメンタリー作家”の称号を、21世紀の映画史に刻みつけた。ワイズマンが30年もの間、いつか撮影したいと切望し続けた場所。それが、英国の国立美術館、ナショナル・ギャラリーである。ようやくその野望を叶えたこの作品では、館内での学芸員や専門家の工夫を凝らしたギャラリートークのみならず、高度な修復技術、そして会議室での予算やPR、企業とのタイアップの是非など白熱の議論までをつぶさに追う。絵画だけでなく芸術に興味がある全ての人にとって必見であり、今後参照されるべきドキュメンタリーであるといえるだろう。
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