エドワード・ヤンの名を知らしめた傑作
早朝の街に響き渡る銃声。犯罪の現場となった古アパートから逃げ出した混血の少女シューアンの姿を、偶然カメラに捉えたシャオチェン。同僚の突然の死を出世のチャンスと思い上司にアピールする医師のリーチョンと、執筆に行き詰まる小説家の妻イーフェン。母親に家の中に閉じ込められたシューアンは苛立ちが募り、いたずら電話を掛け始める。シャオチェンはシューアンの写真がもとで彼女と喧嘩し、例の古アパートに住み始める。
2007年に59歳の若さで死去した映画監督エドワード・ヤン。「台湾ニューシネマ」を代表する監督として知られる彼の3作目の長編映画が本作だ。舞台は80年代の台北。ひとり少女がかけた1本のいたずら電話によって、カメラマンとその恋人、女性作家と医師の夫、その元恋人、不良少女、刑事など、何のつながりもなかった人々の間に奇妙な連鎖反応が生じ、やがて悲劇が巻き起こる。いたずら電話や夫婦の不和、不倫といった事象を鋭敏なタッチで切り取るその作風は、本作に続くエドワード・ヤン監督作品で独自のスタイルとして確立されていっており、興味深い。86年台湾金馬奨グランプリはじめ、各国の映画祭で絶賛されたものの、日本での正式な劇場公開は2015年が初めて。ヤンのデビュー作を収録したオムニバス映画『光陰的故事』も併映。
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