時代をさまよう3人の男女を描く人間ドラマ
ある男が30年ぶりに釈放された。かつて詩人として成功を収めていたクルド系イラン人のサヘルだ。革命前、彼は司令官の娘で美しい妻のミナと幸せな生活を送っていた。しかしミナの家の運転手アクバルがミナへ想いを寄せていた事から、彼らの運命は変わる。イラン・イスラム革命が勃発し、サヘルとミナは反体制派として捕らえられる。密告したのはアクバルだった。10年後、ミナは釈放され、夫サヘルの死を告げられるのだが…。
独特の映像ダイナミズムを見せてくれる、クルド系イラン人監督バフマン・ゴバディ。しかし社会の現実を捕らえた彼の作品は、イランでは“反社会的”とされ、前作『ペルシャ猫を誰も知らない』以来、亡命を余儀なくされている。本作はそんな彼の心情を映像化したともいえる。無実の罪で迫害に遭い、人生の半分を奪われた詩人。彼は“死んだ人間”としてもう故郷に居場所はない。そんな彼の唯一の心の拠り所が妻なのだが、彼は遠くから見つめるだけしかできない。なぜなら、彼は妻にとっても“死んだ夫”なのだ。主人公を演じるのは、実際に亡命し、引退生活を送っていたかつての映画スター、ベヘルーズ・ヴォスギー。なお、本作に感銘を受けたマーティン・スコセッシが、「提供」としてクレジットに名を連ねている。
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