戦争末期、中年男と少女の間に芽生えた愛
1945年、19歳の里子は母親と二人で東京・杉並の家で暮らしていた。隣家には銀行員で38歳の市毛という男性が、妻子を疎開させて一人で暮らしており、里子は市毛の日常の世話をしていた。6月には横浜の家を焼き出された母の妹・瑞枝も里子の家に居候するように。若い男性は戦争に行き、里子は自分が結婚もできず戦争で死んでしまうのかと憂鬱な気分になる。そんなある日、市毛の銀行へ米をもらいに大森へ出かけた里子は…。
太平洋戦争終了直前の1945年。若い男性は出征し、子どもたちは田舎に疎開し、食料も少なく、東京は何もない町になっていた。そんな何もない東京で、戦争がいつ終わるのかもわからず、自分がいつまで生きていられるのかもわからない状態で、娘盛りを迎えてしまった里子の日常と心情を、生々しくも丁寧に描く。二階堂ふみ演じる里子と、長谷川博己演じる市毛は人生の先も見えない状態で、隣にいる異性を求めあっていく。いわゆる“不倫”ではあるものの、何もかもがありあまる現代の“不倫”とはまったく違うものと言えるだろう。脚本・監督を務めたのは『身も心も』の荒井晴彦。原作は芥川賞作家・高井有一の同名小説。
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