インド独立という歴史の転換を描くドラマ
1947年、インドの首都デリーに、主権譲渡のために最後となる新総督マウントバッテン卿とその家族がやってくる。一方、新総督の秘書として雇われたインド人青年ジートは、総督邸でかつて思いを寄せていた女性アーリアと偶然再会していた。インド独立の準備を始めるマウントバッテンだが、ネルー、ガンディー、ジンナーといった指導者たちの意見はまとまらず、各地で宗教対立による暴動が起きる。統一インドとしての独立か、それともパキスタンとの分離か。マウントバッテンは決断を迫られる。
現在、中国に次ぐ世界第二の人口を抱える大国インド。しかし独立に至るまでは、様々な紆余曲折があった。本作は1947年8月に独立するまでのインドの6ヶ月間を、最後の総督としてやってきたマウントバッテン卿とその家族、そしてそこで働くインド人たちを通して描いた歴史ドラマだ。なぜインドとパキスタンに分かれて独立することになったのか。そこにはヒンドゥー教徒とイスラム教徒の指導者たち、さらにイギリスの思惑があった。そうした歴史の裏側を知るにはいいテキストになる映画だろう。また、指導者たちの目線だけでなく、異教徒間の恋愛ドラマを交えることにより、政治によって憎しみが増長されていく民衆など、今も通じる問題を身近に感じさせている。監督は『ベッカムに恋して』などのグリンダ・チャーダ。彼女もまた自身がインド系という。
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